March 18, 2023 update
一般にベンゼン環のπ電子はアルコキシドやアミン、マロン酸エステルなどの求核剤と同じようには反応しない。そこで、ベンジル位にカルボアニオンを発生させることでベンゼン環が一般的な求核剤として働く「ベンゼン環による求核置換反応」を開発した。
ケトンをアルケニル求電子剤として直接利用する手法を開発しました。この反応は、アルケニル炭素ー窒素結合の酸化的付加という前例のない過程を含んています。
Reference (1) Yuya Kogure and Satoshi Ueno, Org. Lett., 24 (50), 9233–9237 (2022). DOI: 10.1021/acs.orglett.2c03765
ケトンとアルキン、α,β-不飽和ケトンによるワンポットベンゾフェノン合成を開発した。このワンポット合成法は、カルボン酸を加えることで中間体の安定性と反応性を適切に調整し、効率的な分子変換を達成した。
Reference (1) Shoko Nagahata, Seiya Takei, and Satoshi Ueno, J. Org. Chem., 87 (15), 10377–10384 (2022). DOI: 10.1021/acs.joc.2c00601
1,3-ジケトンが1,3-ジアミンにより極めて温和な反応条件で脱アシル化反応が進行することを見出した。これを利用して、1,3-ジケトンをプラットホームとして、α位のアルキル化と脱アシル化によりケトンの簡便な合成方法を提案する。
Reference (1) Rei Ishihara, Kota Okamura, Yuki Yoshimura, and Satoshi Ueno, ChemistrySelect, 7 (37), e202202717 (2022). DOI: 10.1002/slct.202202717
パラジウム触媒とアリル炭酸エステルを用いるプロピルケトンのプロピル基とアリル炭酸メチルのアリル基による脱水素芳香族化反応を開発した。この反応では一つのパイアリルパラジウム種が、異なる3回の脱水素化と1回のアリル化の合計4回を高選択的に実現することで達成されている。
Reference (1) Kenta Koike and Satoshi Ueno, Chem. Lett., 51 (4), 489–492 (2022). DOI:10.1246/cl.220032 (Open Access)
ニッケル触媒とクロロベンゼンによる飽和ケトンの脱水素化を利用することで、一般的に不安定なα,β-不飽和ケトンを系中で発生させ、エナミンとアンモニアとの縮合による置換ピリジン合成を達成した。
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